印紙のいらない領収書とは?
事業者の方は、色々な場面で領収書を受け取ったり、発行したりする機会が多いと思います。
この領収書には、領収金額に応じた収入印紙の貼付が必要ですが、次の場合には収入印紙の貼付が不要です。
①領収金額が5万円未満の領収書
②クレジットカード決済の領収書
③相殺の領収書
④受取人の営業に関しない領収書
受取人の営業に関しない領収書とは?
印紙の貼付が必要なのは、営業取引の代金に関する受取書(領収書)です。ここでいう「営業」とは商法上の商人が行う商行為(営利目的の反復継続的な取引)を指しています。従って、個人の方が行う自宅や自家用車、家財などを売却する行為はこれにあたりません。また、医師や歯科医師、税理士、弁護士などは「商人」にはあたらないことから、これらの者がその業に関して発行する領収書についても、印紙の貼付義務はありません。
銀行振込は領収書がいらない?
銀行振込で支払った場合には、わざわざ領収書をもらうケースは少ないと思います。これは、銀行振込の場合には金融機関(通帳)に支払履歴が残り、それが支払の事実を客観的に証明する証憑書類として有効であるためです。後で「支払った・支払っていない」ということでトラブルになることが無いため、実務では慣例上、領収書をもらうがほとんどありません。
ただし、銀行振込であっても、領収書を発行する際は領収金額に応じて印紙の貼付が必要です。
領収書に印紙が貼付されていないとき
印紙を貼付すべき義務があるのは領収書を発行する人(代金の受取人)です。領収書を受け取った側に貼付義務はないため、もし仮に受け取った領収書に印紙が無かったとしても、自身にペナルティ等が生じることはありません。
逆に、自身が発行した領収書に印紙を貼付し忘れた場合、税務調査等でそれが発覚したときは本来貼付すべき印紙の金額の3倍のペナルティー(過怠税)を納める必要があります。また、印紙代であれば会社の損金(経費)として認められますが、過怠税は損金として認められません。
印紙の消印忘れに注意!
領収書などに貼付した印紙は、ハンコなどにより消印する必要があります(再利用を防止するため)。
この消印がなされていないと、印紙税法の規定により、印紙を貼付していないものとみなし、こちらも過怠税の対象となります。消印の押し忘れの無いよう、くれぐれもご注意下さい。