貸宅地と貸家建付地の違いとは?相続税評価の基礎から判断のポイントまでわかりやすく解説

相続税・贈与税

はじめに|土地の相続で損をしないために、今知っておきたいこと

「親が所有している土地に、他人が住んでいるけど、これってどう評価されるの?」
「アパートを建てて貸しているけど、相続税ってどうなる?」

こうした疑問は、相続が近づくとよく出てくるものです。

土地の相続税評価では、「貸宅地」か「貸家建付地」かによって評価額が大きく変わることがあります。
にもかかわらず、見た目や使われ方が似ているため、誤解や判断ミスが非常に起きやすいのです。

本記事では、これから相続が発生する可能性のある方に向けて、
「貸宅地と貸家建付地の違い」「評価の考え方」「よくある判断のつまずきポイント」「小規模宅地の特例との関係」まで、わかりやすく解説していきます。


2. 貸宅地と貸家建付地の違いをわかりやすく解説

■ 用語の定義

  • 貸宅地(かしたくち)
     → 自分の土地を、他人に貸しているもの。借地権が発生し、建物は他人所有です。

  • 貸家建付地(かしやたてつけち)
     → 自分の土地に自分の建物を建て、その建物を他人に貸しているもの。
     建物も土地も自分のものですが、そこに借家権(借り手の権利)が発生します。

出典:国税庁「財産評価基本通達24〜26」
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/sozoku/01.htm


■ 評価方法の基本

分類 評価の考え方 評価減の根拠
貸宅地 自用地価格 ×(1 − 借地権割合) 借地権があるため減額
貸家建付地 自用地価格 ×[1 −(借家権割合 × 補正率)] 借家権による減額 + 補正率

3. 相続前に知っておきたい「貸宅地」と「貸家建付地」の見分け方と注意点

土地の利用状況が似ていても、評価の区分が違えば相続税の金額に大きな差が出ることがあります。
ここでは、実際によくある例をもとに、判断の目安や注意すべきポイントをわかりやすくまとめました。


■ ケース1:借地契約で他人が住んでいる → 貸宅地

  • 【例】親の土地に、他人が自分の家を建てて住んでいる

  • → 「借地権付きの土地」として評価されます。

  • 評価方法:自用地価格 ×(1 − 借地権割合)

🔎 チェックポイント:

  • 借地契約書の有無

  • 地代が支払われているかどうか


■ ケース2:自分が建てた建物を貸している → 貸家建付地

  • 【例】親が所有する土地にアパートを建てて貸している

  • 評価方法:自用地価格 ×[1 −(借家権割合 × 補正率)]
    (通常、借家権割合30%・補正率70%など)

🔎 チェックポイント:

  • 建物の登記名義は誰か?

  • 賃貸契約の有無と入居の状況

  • 空室があると評価に影響する場合も


■ 判断に迷いやすい例:親の土地に子が建てたアパート

このような場合、「建物の持ち主」「契約関係」が重要です。
建物が子の所有であれば、親の土地は“貸宅地”として評価されることもあります。


■ 小規模宅地等の特例との関係にも注意!

  • 貸家建付地:条件を満たせば、小規模宅地等の特例(最大50%評価減)の対象に

  • 貸宅地:原則、対象外

この違いは相続税に直結するため、評価を正しく見極めることがとても大切です。


💡 「建物の名義」「契約内容」「実際の使われ方」などを早めに確認しておくと安心です。
判断が難しいときは、専門家に相談するのがおすすめです。


4. まとめ|土地評価で損しないために、早めの確認と専門家の助言を

土地の相続税評価では、「貸宅地」と「貸家建付地」の違いを正しく理解することがとても重要です。
似たように見える土地でも、評価方法や税金の計算がまったく異なります。

特に以下のような状況に当てはまる方は、注意が必要です:

  • 自分の土地がどちらに該当するのか、はっきりしない

  • 親と子で名義の異なる建物がある

  • 将来、賃貸経営を予定している

  • 小規模宅地の特例を受けたいが、判断がつかない


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「この土地、どう評価されるのか不安…」という方は、まずはお気軽にご相談ください。


※本記事は、掲載日時点における法令等に基づいて作成しております。

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