はじめに
ふるさと納税は「応援したい自治体に寄附できる」「税金が控除される」「魅力的な返礼品がもらえる」と、個人事業主やサラリーマンに人気の制度です。
しかし、返礼品が高額だった場合、課税される可能性があることを知っている人は、実はそこまで多くありません。
本記事では、ふるさと納税の返礼品に関する課税ルールを、初心者にもわかりやすく解説します。
ふるさと納税の仕組み
ふるさと納税は、自治体へ寄附をすると寄附額から2,000円を超える部分が所得税・住民税から控除される制度です(出典:国税庁「ふるさと納税」)。
そのお礼として自治体から「返礼品」が送られます。
返礼品は一時所得に該当
返礼品は原則として「一時所得」に分類されます。一時所得とは、懸賞や保険の満期金など、臨時的に得た利益を指します(出典:国税庁タックスアンサーNo.1490「一時所得」)。
一時所得には年間50万円の特別控除があり、収入合計が50万円を超えなければ課税は生じません。
返礼品の評価額
返礼品の経済的価値は、自治体が調達した金額(仕入価格等)を基準に算定されるのが一般的です(出典:国税不服審判所令和4年2月7日裁決)。
注意点(サラリーマンの場合)
給与以外の所得が20万円以下なら、所得税の確定申告は不要です(出典:国税庁タックスアンサーNo.1900)。
ただし、住民税では別途申告が必要になる場合があります。所得税で申告不要でも、住民税の課税対象となることがあるため注意が必要です。
注意点(個人事業主の場合)
事業所得と一時所得を合算して計算するため、返礼品が高額だと課税対象になりやすくなります。帳簿・証憑の保管を徹底し、必要に応じて税理士に確認することが重要です。
誤解されやすいポイント
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「返礼品はすべて非課税」と誤解しているケースが多い
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実際には、懸賞や保険金と同じ「一時所得」に分類される
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複数の返礼品や懸賞品を合算して50万円を超えると課税対象になる
注意すべき事例
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例1:返礼品で年間60万円相当の高級和牛を受け取った場合 → 一時所得として申告が必要
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例2:返礼品の家電と懸賞当選品を合算し50万円超 → 一時所得課税対象
まとめ
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ふるさと納税の返礼品は「一時所得」に分類され、年間50万円までは特別控除により課税されない
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サラリーマンは「20万円ルール」で所得税申告が不要でも、住民税申告が必要になるケースあり
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個人事業主は所得と合算されるため、高額返礼品を受け取る際は特に注意が必要
※本記事は、掲載日時点における法令等に基づいて作成しております。