相続手続きガイド
相続時、ゴルフ・リゾート「会員権」はどうする?名義変更や売却の手続き・必要書類を解説
放置は年会費の無駄に!所有調査から3ステップの手続き・注意点まで網羅
故人のゴルフやリゾート会員権は、手続きを行わないと無駄な年会費が発生し続けるため早めの対処が必要です。まずは遺品や通帳から所有状況を調査し、運営元の規約に従って「相続(名義変更)」「売却」「退会」のいずれかを選択しましょう。不動産所有権付きリゾート会員権の場合は、相続登記義務化の対象となる点にも注意が必要です。
この記事に登場するメンバー



はうちゃん、お父さんの遺品を整理していたら「ゴルフ会員権」と「リゾートホテルの会員カード」が出てきたの。これってどうすればいいのかしら…?

花子さん、それは大切な発見だワン!会員権は遺産の一つだけど、放っておくと毎年年会費がかかり続けちゃうこともあるんだ。まずは契約内容を確認して、どう手続きするか一緒に整理していこう!
■ 1.そもそも所有していたか調べる方法
【結論】遺品の中の証書や郵便物、銀行通帳の口座引き落とし履歴、確定申告書の控えから調査します。
故人が会員権を所有していたかどうか不明な場合は、お金の流れや残された書類から調査を行います。
| 確認場所・書類 | チェックするポイント |
|---|---|
| 会員証・証書・郵便物 | 遺品の中から「会員権証書」「預託金証書」「会員カード」を探します。また、ゴルフ場や運営会社から届く「年会費の請求書」「利用案内」「会報誌」も大きな手がかりになります。 |
| 銀行口座の履歴 | 預金通帳の口座引き落とし履歴やクレジットカード明細を確認。「〇〇カントリークラブ」「〇〇リゾート」「〇〇代行(年会費)」などの名義で毎年・毎月定額が引かれていないか確かめます。 |
| 確定申告書の控え | 故人が確定申告を行っていた場合、会員権の売却益や不動産所得(不動産付き会員権の場合)に関する記載・書類が残っていることがあります。 |
■ 2.会員権の種類と「相続の可否」
【結論】引き継ぎや売却ができるものと一代で消滅するものがあります。最終的な取扱いはすべて各クラブや運営会社の「規約による」ため個別確認が基本です。

会員権って、家族の私がそのまま引き継いで使えるのかしら?それとも解約になっちゃうの?

会員権の種類によって対応が分かれるワン!引き継げるものもあれば、一代限りで消滅するものもあるんだ。それぞれの特徴を見てみよう。
- ① ゴルフ会員権(預託金制・株主制など):
一般的には資産価値があり、名義変更して引き継ぐか、売却・解約が可能です。ただし規約によっては「死亡時は自動退会(預託金の返還請求のみ可能)」となる場合もあります。 - ② リゾート会員権(「利用権のみ」と「不動産付き」の違い):
- 「利用権型」リゾート会員権(不動産なし):施設を利用する権利(預託金等)のみを所有するタイプ。名義変更手続きを行うことで引き継げる場合があります。
- 「不動産所有権付き」リゾート会員権(不動産あり):部屋や土地の持ち分を共有名義で登記して所有するタイプ。運営会社での手続きに加え、法務局での「相続登記(所有権移転登記)」が必要です。
- ③ スポーツクラブ・カルチャー教室など:
これらは規約上「一身専属権(本人のみの権利)」と定められていることが多く、基本的には死亡した時点で権利が消滅します。
■ 3.会員権手続きの基本手順(3ステップ)
【結論】管理会社への連絡、必要書類の提出、審査・完了(または売却・清算)の3ステップで進めます。
- ステップ1:管理会社(ゴルフ場・リゾート会社)へ連絡
運営元へ連絡し、「会員が死亡したため手続きを行いたい」旨を伝えます。「相続名義変更の可否」「名義変更費用(名義書換料)」「退会・売却の条件や申請期限」を確認しましょう。 - ステップ2:必要書類の収集と提出
運営会社から取り寄せた専用の申請書とあわせて、戸籍謄本などの必要書類を提出します。 - ステップ3:審査・完了(または売却・清算)
引き継ぐ場合は、運営会社の資格審査(面談や書類確認)を経て、名義書換料等を支払うことで新たな名義で会員証が発行されます。
■ 4.手続きに必要な主な書類
【結論】会員権証書のほか、故人および相続人全員の戸籍謄本・印鑑証明書、遺産分割協議書などが必要になります。
- 会員権証書・預託金証書(原本)
- 被相続人(故人)の戸籍謄本(死亡の事実および相続関係が確認できるもの。※預託金返還等を伴う場合は「出生から死亡まで」が必要になることがあります)
- 相続人全員の戸籍謄本(現在戸籍)
- 相続人全員の印鑑証明書(発行から3〜6ヶ月以内のもの)
- 遺産分割協議書 または 相続同意書(「誰が会員権を引き継ぐか」を証明する書類。遺産分割協議書がない場合は運営会社指定の同意書を使用)
- 新たに会員となる人の必要書類(入会申込書、住民票、顔写真、身分証明書など ※引き継ぐ場合のみ)
※「不動産所有権付きリゾート会員権」の場合は、上記に加えて固定資産評価証明書や登記申請書を用意し、法務局での相続登記が必要となります。
■ 5.手続きを進める際の4つの注意点
【結論】名義変更料の高額化、未払い年会費の累積、売却困難リスク、そして相続登記の義務化に注意が必要です。
必ず押さえておきたい4つの注意点
- ① 名義変更料(名義書換料)が高額なケースがある:数十万〜数百万円かかることもあるため、事前に「費用を払ってまで引き継ぐ価値があるか」を判断することが大切です。
- ② 手続き完了まで「年会費」が発生し続ける:放置すると故人名義のまま年会費が請求され続けます。故人が亡くなった後は速やかに連絡を入れましょう。
- ③ 売却できない(買い手がいない)会員権もある:市場での需要によってはすぐに売れないこともあります。維持費ばかりかかるのを防ぐため早期に専門業者へ相談しましょう。
- ④ 所有権付きリゾート会員権は「相続登記の義務化」に注意:2024年4月より相続登記が義務化されました。取得を知ってから3年以内に手続きを行わないと過料(最大10万円)の対象となるリスクがあります。

放置しておくと使ってもいないのに年会費がかかっちゃうのね…!不動産付きの登記期限も心配だから、まずは証書を確かめて運営会社に電話してみるわ!
■ まとめ
故人の会員権手続きは、まず「通帳や遺品から所有状況を確認し、運営会社へ連絡して規約を確認すること」から始まります。
会員権の取り扱いや必要な書類、費用などはすべてクラブや運営会社の「規約による」部分が大きいため、独自の判断で進めず窓口へ相談するのが最も安心です。放置して費用がかさむ前に、気づいた段階で早めに確認を進めましょう。

早めに対応することが重要だワン!