1. 「父から110万円、母から110万円で合計220万円非課税」はできるのか?
結論からお伝えすると、父母ともに相続時精算課税を選択した場合、あるいは父母ともに相続時精算課税を選択していない場合は、220万円が非課税にはなりません。
しかし、制度の選び方(片方を暦年課税にする組み合わせ)次第では、合法的に年220万円の非課税枠を活用できるケースもあります。
2. 相続時精算課税の「年110万円」の仕組み|2人以上から受ける場合のルール
相続時精算課税制度の基礎控除は「贈与を受ける人1人につき」年110万円が上限です。
父と母の両方から相続時精算課税を適用して贈与を受けた場合でも、非課税枠は合計で110万円となります。
3. 年220万円を非課税にする「ハイブリッド贈与」と実務上の落とし穴
父と母の両方から相続時精算課税制度を選択した場合は上記の通りですが、相続時精算課税は「贈与者ごと」に選択できます。
例えば父からの贈与は相続時精算課税制度を選択し、母からの贈与は暦年課税(従来の贈与)制度を適用した場合、両者は別の制度による贈与のため、それぞれ年110万円が非課税となります。
- 父からの贈与(110万円):相続時精算課税を選択 → 精算課税の基礎控除110万円を適用(非課税)
- 母からの贈与(110万円):暦年課税(従来の贈与)のまま → 暦年課税の基礎控除110万円を適用(非課税)
POINT父と母で制度を使い分ける(ハイブリッド併用する)ことで、子は合計年220万円まで贈与税ゼロで財産を受け取ることができます。
⚠実務で注意すべき落とし穴
☑ 相続時精算課税制度を一度適用すると、暦年課税(従来の贈与)制度に戻すことは出来なくなるため、慎重な判断が必要です。
☑ 相続時精算課税制度による父からの110万円以内の贈与財産は、何年前の贈与であっても相続財産への持ち戻し(加算)は一切ありません。
☑ 一方、母の暦年課税制度による110万円以内の贈与財産は、相続開始直前7年以内に行われた贈与について相続税の課税対象として加算されるリスクがあります。
4. まとめ
「父と母から110万円ずつ」は、制度の組み合わせ次第で強力な生前対策になりますが、きちんとした制度の活用と贈与による資産承継計画のプランニングが大切です。
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※本記事は、掲載日時点における法令等に基づいて作成しております。